これまで述べたように、「気」というエネルギー、つまり生体活動の根源が、絶えず体内をすみずみまで隈なく循環しているのが、本体の姿であると考えるのが漢方。
そして、各個人の“気の量”、“気の吸収・産生”、“気の循環”が障害されるのが、『病気』であると考えます。
気虚
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気の状態 |
「気の量」が不足している状態 |
症状 |
意欲不足、全身倦怠感、慢性的な疲れ、眠気 |
よく使う生薬 |
人参、黄耆、甘草、大棗など |
気鬱
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気の状態 |
気の全身への流れが停滞している状態 |
症状 |
不安、不眠、のどの詰まり感、焦燥感、胸部不快感、腹部膨満感など |
よく使う生薬 |
半夏、厚朴、香附子、柴胡、梔子、枳実など |
気逆
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気の状態 |
気が、身体の上半身にのぼって偏ってしまう状態 |
症状 |
のぼせ、いらいら、動悸、めまい、焦燥感、物に驚きやすい |
よく使う生薬 |
桂枝、蘇葉、薄荷、陳皮、橘皮など |
漢方薬には、西洋薬の精神安定剤や睡眠導入剤に見られるような、翌日への「持ち越し効果」などもなく、うまく用いれば期待した以上の効果を得られることも多いようです。
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