明治時代に入るまでは、湯液(煎じ薬)を服用し、さらに鍼や灸を用いた治療を同時に行って病気を治したり、体調を整えたりするのは、普通のことでした。「漢方」という呼び名は、江戸時代にオランダ医学が「蘭方」と呼ばれたことと区別するために用いられた名前です。
しかし、その後、新政府提唱の西洋医学を主体とした医学の普及により、漢方医学は、湯液(煎じ薬)も鍼灸も、一時衰退してしまいます。湯液(煎じ薬)を主体とした治療と、鍼灸治療は、新制度により分離されてしまいました。
それでも、一部の熱心な薬学者や医師、鍼灸師によって、漢方という伝統医療は受け継がれ、現代に至っています。
現代では、わざわざ薬を煎じなくても、漢方薬にはエキス剤なども生成され、医師の処方で内服治療ができる時代となりました。また鍼灸師の先生方の努力で、色々な流派の鍼灸治療法が受け継がれてきました。
私がまだ富山医科薬科大学の和漢診療部で研修医だった頃も、病棟での入院患者さんの治療のメインは煎じ薬の内服でしたが、一部の患者さんには、鍼灸師の先生の治療が並行して行われ、効果を上げていました。また、我々研修医も「電気温灸鍼」という治療法を習うことが必須でした。
今でも思い出すのは、富山時代の鍼灸の先生が、患者さんの脈をみながら、微妙に鍼灸の場所を変えつつ治療を行っていた姿勢です。当院も漢方を専門とする以上、本来なら鍼灸治療も行いたいところですが、現代の制度上は色々な制約があります。
最近、富山時代の鍼灸の先生と同じような施術スタイルの鍼灸の先生に出会いました。全身のゆがみを脈診で把握しながら、優しく鍼灸を行うタイプの先生です。漢方薬の内服と併用して鍼灸治療を行うことで、益々の治療効果の向上が期待できます。
何名か、患者さんを紹介し、また、私自身も治療を受けてみましたが、「非常に優しい鍼灸」という感じで、患者さんの評判も上々です。
「ふくふく鍼灸院」の鶴田 恵隆(つるた としたか)先生です。出張治療にも応じてくださるので、ありがたいと思います。
(https:www.fukufuku89.com)
漢方の内服に加えて、鍼灸治療で体のゆがみを正したい方や、今服用している漢方薬の効果をさらに強めたい方には、オススメです。
鶴田先生の出張治療ご希望の方は、当院でも受け付けていますので、どうぞご連絡下さい。
田中医院 院長 小野村(2018.6.15)
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